コミュニケーションデザイン専攻

デジタルデザイン論レポート

G12050 カワイイ

Takuya Angelファッションデザイナー卓矢エンジェル氏がデザインした衣装を着た原宿のモデル日本に行ったことがあれば、知っているかどうかに関わらず、日本で優勢なポップカルチャーの美学「かわいい」の複数の例に出会っていることだろう。スイカの形をしたバス停だって?かわいい。警察の愛くるしいマスコット?かわいい。ピンクのチュチュを着てパープルのバッグを持った原宿のファッションに敏感な若者たちやハローキティのテレビ、パンダにように見える魚肉団子、漫画の中に登場する輝く瞳の少女たち、カエルの形をした建設現場の標識だって、すべてかわいい。かわいい文化の見た目はさまざまだが、実際には一体何なのか。通常訳されるように、単に「cute」の日本語訳だとしたら、なぜ単にそう呼ばないのか。PostPetクリックしてスライドショーを見る≫私の本「Kawaii!: Japan’s Culture of Cute」の中で、私はかわいいに関係するプロダクトデザイナーや漫画アーティスト、ファッションリーダーやイベントオーガナイザー、学者、アーティストに話を聞いた。彼らが明らかにした1つのことは、一般に考えられていることに反し、かわいい製品はキュートである必要があるが、キュートすぎてはいけないということ。そうでなければ売れない。何がかわいくて何がかわいくないかについてはさまざまな見方がある。これを踏まえ、かわいいをめぐる一般的な誤解に反する5つの事柄を以下に挙げた。かわいいを違った角度から見る役に立つことを期待する。1. かわいいは完璧さについてではないかわいいデザインは通常、構成やパステルカラー、子供のような顔のつり合いといったすべて含むものと連想されるが、完璧な美しさは実は望ましくない。キャラクターグッズ、ポストペットのデザイナー、八谷和彦氏は、キャラクターがあまりにも完璧だと、消費者は疑念や不安を抱くと指摘する。同氏のヒットキャラクター、モモたちが左右均等でない姿勢をしていて、無垢(むく)なキュートではない理由がこれで分かる。2. かわいいは新しいものではないかわいい文化は、現代に適用した伝統の収れんと特に第二次世界大戦後の西洋文化の活用と影響の結果として大いに発展した。しかし、そのルーツはもっと深い。多くの人々がその誕生は大正時代(1912‐26年)の初期だと考えている。当時、画家で詩人の竹久夢二が女性らしい品物を特に女性向けに商品化した。3. かわいいはセクシーとは違うと考えられる原宿の若者ファッションの台頭と少女漫画やイラストレーターの影響を受けて、1990年代にかわいいが女の子たちが求める理想となった。プリティーやセクシー、グラマラス(魅力的)よりも、日本の女の子たちはかわいいと呼ばれることを好む。この言葉は形容詞としては通常、キュートでスイート、親しみやすく、素朴な物や人を意味するが、びっくり仰天するような多くの方法で使用されることもある。実際、日本の女の子たちは1日に何回も「かわいい!」と叫ぶようだし、非常に多くの異なるセッティングの中で使う。皮肉っぽいこともしばしばある。そのため、外国人にとっては彼女たちの語彙(ごい)が幾分限られているかのようにさえ思われる。4. かわいいは静止したものではないかわいい文化は日本では100年ほど続いているが、常に新たな方向に変化している。したがって、変わりやすい消費者層への魅力を維持している。かわいいはますます、正反対と見えるような言葉と組み合わされている。エロかわいい、キモかわいい、グロかわいいなどだ。過去5年間かそこら、ヒット商品のピンクのクマのキャラクター、グルーミーはしばしば飼い主を攻撃することで知られ、通常私たちがキュートと考えるようなものとは反対だ。